SPACY :山下達郎
山下達郎氏のアルバムの中では一番のお気に入り。曇り空からぼんやり光が射した場所にいるような 繊細さとアンニュイの世界。楽曲のアレンジセンスが心地よく、聞けば聞くほどその良さが印象に残る。古さを感じさせない、いつまでも長く付き合えるアルバム。私も何かこんなセンスのものを作ってみたいと感じさせてくれた作品である。少年時代の私はザ ベストテン、学生時代は山下達郎 吉田美奈子 坂本龍一 矢野顕子 ピーターバラカンNHKサウンドストリートが大好きで、当時関西でネガティブに青春時代を過ごしていた私にとって この人たちの音楽は東京の象徴のようなイメージがあった。それは垢抜けて大人っぽく落ち着いたセンスのCITYポップミュージックであり、日本にもこんな別世界があったんだというあこがれの想いが若い日の私の心を希望で満たし、豊かにしてくれていたのだった。時代も変わり、実際住んでみた東京は当然そんなイメージの場所ばかりではなく多種多様であるが、かつて抱いたそんな音の世界観とあこがれがあったからこそ、こにに長くいるのではないかと感じることさえある、影響力の大きいアルバム。20170625