長年 良くしてくれた知人が亡くなった。
”旨いものでも食べにくるついでに線香でもあげにきてくれ。”という遺言を実行すべく 北海道に旅立った。
そして旅の途中で立寄った函館にいる。日本細見というドナルドキーンが書いた 結構 昔の本で読んで、一度訪れて見たかった場所。予備知識もろくに入れずにやってきた。
4月2日。空は重たく灰色で まだ寒い。とぼとぼと坂道を登り、ロープウェイに乗って有名な夜景を眺め、気のむくまま街を歩く。寒さしのぎに入った地元のハンバーガーショップに入る。冷えた体に店内の暖房が伝わり、1人ボーッと考えていると、浮かんでくるのは、人生の足跡は過ぎ去ってしまえば夢のようだと感じること。
いつか誰かが存在した場所。その場面に戻ることはできない。ただ記憶の中にその瞬間はあるのみ。
ただし私達はその残り香を感じ取ることができる。
人生は思い出でできている。そう誰かがいっていた。豊臣秀吉?違う。彼がいったのは “難波のことは夢のまた夢”と言ったのだ。たぶん同じ意味だ。
ところでこの店のエッグバーガーは旨い。ラッキーピエロという店 “幸運なピエロ。”
ますます人生が夢のように思えてきた。 20160402
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